売買 事例

売主は被保佐人

X社から土地を購入するとして,売買による所有権移転登記申請の依頼がありました。売主は個人Aさんですが,被保佐人ということでした。
法定後見の保佐類型の場合,被保佐人の法律行為には,原則,本人の意思及び保佐人の同意が必要ですが,今回は,保佐人に不動産の処分について代理権が与えられていましたので,売買契約及び登記申請委任は保佐人Bさんが行いました。

添付書類は,登記済証,保佐人Bさん署名捺印の登記原因証明情報及び委任状,Bさんの印鑑証明書及び資格証明書(代理行為目録付)とX社からの委任状とX社の登記事項証明書です。
なお,居住用不動産ではありませんので,家庭裁判所の許可は不要です。

社会福祉法人の不動産売買

社会福祉法人Xからグループホーム用の不動産を購入するとして登記申請の依頼がありました。社会福祉法人が購入する不動産が社会福祉事業の用に供するものである場合,当該証明書を添付したときは,登録免許税が非課税になります(登録免許税法第4条第2項別表第3第10号,登録免許税施行規則第3条第1号ロ(2))。

福岡市役所で当該非課税証明書を取得のうえ,登記申請書に添付しました。これにより登録免許税20数万円が非課税となりました。

医療法人と理事長間の不動産売買

医療法人X会から当該法人の理事長であるAさん名義の建物を買取るとして,その登記の依頼がありました。

理事長は,原則,医療法人を代表しますが,理事長所有の不動産を医療法人が購入する行為は,利益相反行為に該当するため,理事長は代表権を有しません。
この場合,福岡市に特別代理人の選任請求しなければなりません。

具体的には,医療法人の社員総会で,①理事長所有の不動産を買受ける議案と②特別代理人候補者選任議案を承認し,管轄の保健所に特別代理人選任の請求を行います。特別代理人選任請求の必要書類は,特別代理人選任申請書,社員総会議事録,特別代理人の就任承諾書及び履歴書,売買契約書(案),売買金額算定根拠資料など。
特別代理人選任後に理事長と特別代理人とで売買契約を締結し,代金決済,登記申請となります。

登記申請には,登記原因証明情報,登記識別情報,X会の登記事項証明書,特別代理人の資格証明書及び委任状,そしてAさん個人の印鑑証明書及び委任状が添付書類として必要です。 

登記未了のうちに売主が死亡

故Aさんは生前にその所有不動産を医療法人X会に売却していましたが,その登記が未了のうちに亡くなられました。
X会から売買による移転登記の依頼がありましたので,Aさんの法定相続人全員に協力いただき登記申請しました。
この場合,Aさんの相続証明書や相続人全員の印鑑証明書などが必要となります。

相続人の協力が得られない場合も出てきますので,売却や贈与されましたら速やかに登記申請しましょう。

破産者所有物件の任意売却

自己破産されたAさん所有の物件を強制競売ではなく,任意売却されることになりました。
当該物件には数件の担保権と差押が登記されていましたので,売買の決済日には全債権者及び破産管財人の方が出席され,これらの所有権を阻害する一切の担保権を同時に抹消し,差押については取下書を裁判所へ提出して,所有権移転登記を申請しました。

破産者所有物件の任意売却による所有権移転登記には,登記済証の添付は不要ですが,裁判所の許可書が添付書類として必要です。

売買予約による所有権移転請求権仮登記

X社は,Y社の土地の上に本社ビルを保有しており,将来的にはY社から土地を買取りたいということで,Y社との間で売買予約契約を締結しました。そして,予約完結権を行使する前に第三者に売却されるのを防止するために仮登記しておいてほしいという依頼で所有権移転請求権仮登記の申請をしました。

仮登記ですので,Y社の権利証は必要ありません。売買予約契約書とY社の印鑑証明書,資格証明書,委任状,X社の資格証明書と委任状が添付書類です。
登録免許税は,課税価格の1000分の10です。

権利証紛失した場合の売買

Aさんが買主,Bさんが売主の売買を原因とする所有権移転登記の依頼がありましたが,売主Bさんは権利証(登記済証)を紛失されていましたので,Bさんの本人確認を行い,Bさんが登記義務者であることを確認した本人確認情報を作成添付して登記申請しました。

売買を原因に登記申請する場合,登記義務者である売主の権利証書(登記済証/登記識別情報)を添付しなければなりません。しかし,権利証を紛失されていることも割とよくあります。この場合,権利証の代わりに,司法書士が売主本人を確認した本人確認情報を作成し添付することで登記申請する方法があります。

※権利証書(登記済証/登記識別情報)は再発行されません。

農地の売買

農家であるAさんは畑(農地)を所有されていましたが,一部が市の収用にあいましたので,残地についてその利用法を思案していたところ,隣接地の所有者(農家)の方から譲渡して欲しいという話がありましたので,残地を売買し,農業委員会の許可書を添付して,所有権移転登記を申請しました。

農家から農家へ農地を売買する場合,農地法により農業委員会の許可が必要です。

利益相反取引

Aさん所有の不動産をAさんが代表取締役を務めるX社が買い取る所有権移転登記を申請しました。

AさんとX社との取引は利益相反取引に当たりますので,X社の承認が必要で,利益相反取引を承認した議事録が添付書類となります。このほか当該決議に出席した役員の実印押印や印鑑証明書の添付が必要となります。

取引の立会

X社の新社屋用地購入による所有権移転登記を申請しました。

確実に登記名義を変更するために,不動産取引の売買代金決済時に当職が立会い,所有権移転登記に必要な書類や完全な所有権を阻害する登記の有無の確認,売主本人の確認などを行い,即日登記申請しました。