遺産分割協議 事例

成年被後見人の特別代理人就任

相続人の中に成年被後見人がいる場合、その成年後見人が本人(成年被後見人)に代わって遺産分割の協議に参加しますが、成年後見人が相続人でもあるときは、相続人間の遺産分割協議において、本人と成年後見人は利益相反となりますので、成年被後見人については特別代理人の選任が必要になります。身内に適任者がいればその人候補者として申立を行いますが、適任者がいない場合は、当職が特別代理人候補者として特別代理人選任申立を行うこともあります。

申立の際には遺産分割協議書(案)も添付して審判をしていただき、審判書、遺産分割協議書などを添付して相続登記を行います。

兄弟姉妹が相続人

被相続人が結婚していたものの配偶者が先に亡くなり、配偶者との間に子がいなかった場合、相続人は被相続人の兄弟姉妹になります。しかし、すでに亡くなられている兄姉もいるとその兄姉の子らが相続人となり、おじ、おばと甥、姪が遺産分割の協議をすることになります。

子がいない場合、又は結婚されていない場合は、相続が争続とならないよう、遺言書を作成されることをお勧めします。

前妻の子も相続人

相続登記の依頼があり、相続人調査をしたところ被相続人には前妻の子がいることが判明し、依頼人はその事実を知らなかったということが何度かあります。前妻の子も相続人になるため、遺産分割協議書に署名と実印押印(印鑑証明書付)が必要です。
当該事実を知らなかったわけですから、当然会ったことも話したこともないため、大変驚かれ困惑されます。

戸籍を遡ることで希にこのような事実が発覚します。遺された相続人の方にとっては大変な負担になりますので、心当たりのある方は必ず遺言書を遺されてください。

数次相続で相続人が22人

親が亡くなったからと相続登記の依頼を受け、不動産の登記事項証明書を確認すると不動産の一部の名義が祖父のままだったということがあります。
そうすると祖父の相続人の調査も必要となり、現存相続人が22人にもなったということもあります。
相続人全員から遺産分割協議書に署名捺印をいただくことができれば、名義変更の相続登記申請ができますが・・・。

相続登記をしないうちに次の相続が発生することがあり、大変な手間と時間と費用を要しますので、相続登記は早めに手続きされてください。

相続人の1人が成年被後見人

相続人の中に判断能力が減退してしまった方がいる場合、遺産分割の協議ができませんので、成年後見人の選任申立をし、成年後見人が本人(成年被後見人)に代わって協議に参加します。
遺産分割協議書には成年後見人が署名と実印の押印を、成年後見人の印鑑証明書及び成年後見登記事項証明書を添付して相続登記を申請することになります。

相続人の1人が外国籍を取得

相続が開始した場合に遺言書がないときは相続人全員で遺産分割の協議をしなければなりません。そして、その協議を元に遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名又は記名と実印による押印が必要で、印鑑証明書も必要となります。

相続人のうちの1人が外国人と結婚して外国籍となっている場合、印鑑証明書は取得できないため、印鑑証明書に代わるものとして、当該国の公証人による署名(サイン)証明書が必要になります。

相続人が外国在住

相続が発生し、遺言書がない場合、相続人間で遺産分割の協議が必要です。そして、この協議に基づいて不動産の登記を申請するときは、当該協議書に相続人全員実印を押印し、印鑑証明書の添付が必要となります。
相続人が日本人で外国在住の場合は印鑑証明書の取得ができませんので、在住国の日本国大使館又は領事館において、大使又は領事の面前で遺産分割協議書に署名と拇印による押印を行い、大使又は領事が発行する署名(拇印)証明書を発行(合綴)してもらい、当該署名証明書が印鑑証明書の代わりとなります。